公開:2022.04.21 08:11 | 更新: 2022.05.09 06:38
目次
ベンチャー企業でCMO/CEOを経験したのち独立。業種問わず10社以上のマーケティング責任者、顧問を担当。自社サービスの改善から広告/SNS運用、Webディレクション・デザイン・開発など幅広く業務
私は現在Web制作会社で社員としてディレクターとwebマーケティングコンサルティングをしている傍ら、副業ではBtoB企業のマーケティング責任者や、DtoCブランドの立ち上げなどをやっています。
元々英会話スクールで営業をしていて、Webマーケティングの集客の方をやってみないかということで異動したのがマーケティングキャリアの最初でした。ほとんどマーケティングの知識はゼロに近い状態からのスタートで、最初はわからないことだらけで、ずっとネット検索してわからないことを一つ一つ潰していく毎日でした。3年ほどWebマーケティングをやる中で、広告運用やWeb制作、プログラミングなど、知識をを身につけてきました。実務ベースでスキルを身につけてきたので、なかなかスクールで学ぶように網羅的に習得するまでは時間がかかりましたが、実践を通したことで、それぞれの知識が深く落とし込まれているように感じます。
英会話スクールをやめたとき、そこで得たスキルをもっと活かしてみたいと思い、一旦はフリーランスという形で色々業務委託で仕事をさせてもらいました。その中で、社員でやってもらえないかというお声かけをもらい、現在のような働き方をしています。
素晴らしい商品・サービスでもそれを知ってもらわなければ、何にもなりません。それだけでなく、使ってもらうこと、使い倒してもらうこと、良さを共有してもらうことまでが、今マーケティングで求められることだと思っています。
デジタル化の流れで、マーケティング手法はどんどんアップデートされていきます。そのため多くの企業が課題として抱えているのは、現代の形にあったマーケティング活動の企画や活動全体を統率できる人材の不足です。マーケティングの活動自体は外注すればある程度できてしまいます。手段の確保はそれほど課題にはなっていません。一方でそれぞれのマーケティング手法を用いて、どの活動を重点的に進めるのか、予算をどう割り振れば事業計画を達成できるかを正しく意思決定できる専門家の確保に私が関わった企業のほとんどが四苦八苦しており、そのような人材が今求められるマーケターだと思います。
クライアントからこれがやりたい、あれがやりたいと言われて、それをそのまま実行するだけではマーケティングのプロフェッショナルではないと思っています。
一昔前と違い、マーケティング活動にかかるコストはどんどん下がっています。多くの方が、プログラミングスキルや、デザインスキルを鍛えることからスタートしてしまうようですが、Webサイトはノーコード化が進んでおりエンジニアなしでも運用可能になりつつありますし、デザインならCanvaというサービスで誰でも簡単にプロのようなものが作れます。広告運用も自動化がどんどん進んでいますから、運用代行という仕事の価値も下がっていくでしょう。
言われたことをやるだけの作業員は、どんどんサービスの進化で淘汰されてしまいます。フリーランスとして長期的に稼いでいくためには、そういったサービスを活用して事業の課題解決ができる必要があり、それができる人が、真のマーケターであると感じます。
マーケターとして、そのビジネスの改善をしていくには、まず事業理解を深めることが最も重要です。今事業計画上のどこに位置しているのか、何が課題なのか、その課題の解決に予算リソースはどのくらい使えるのかを徹底的に理解します。その上でどんなマーケティング活動をしていくべきか考えます。英会話スクールでCEOだった経験から、売上利益責任を持つ、もしくは、持っているつもりで仕事をする、ということが本質的な意味でのマーケターに問われる資質だと感じます。
今の時代は、コロナの影響もあって、昔以上に多様な働き方が認められるようになってきました。だからこそ、会社員でいること、独立することで悩んでいる方を、これまでたくさんみてきました。私自身、会社員、フリーランスのどちらも経験しており、それぞれのメリット・デメリットを理解しているつもりですので少しだけその辺りをお話しできたらと思います。
まず、これは私の持論ですが、ほとんどの場合会社員でいることの方がメリットは大きいと感じています。やはり、収入が固定でもらえることのメリットは、皆様が思っている以上に大きなことです。収入が安定しないフリーランスは、精神的な面でいうと、すごく負荷が大きいことを、私は身をもって実感しました。様々な経験を得られて、生活ができる給与を担保され、保険制度も整っている社員という選択肢は、簡単に捨てられるものではありません。だからこそ、私がおすすめするのは副業という働き方です。
あまりにこの辺りの税に関するメリットについて触れることがご法度のような風潮があるので、あえてお伝えできたらと思います。副業としての収入があると、副業で得た収入以上の手取り収入を手に入れることが可能になります。副業で稼ぎがある場合、確定申告をしなければなりませんが、その際、会社からの所得と副業の事業所得を損益通算することができます。自分で仕事をするためには、インターネット費用や、交通費、PCなどの機材にお金がかかってきますが、これらを経費として計上することも可能です。また、申告の方法によっては控除が受けられます。加えて副業収入は社会保険料率には影響がありません。会社員をしていると、全て経理部や労務の人がやってくれるので、あまり保険や税金に支払っている金額の算出方法等に関して気にしたことがない人がほとんどだと思いますが、一度自分で仕事をしてみると、世の中の仕組みが面白いようにわかるので、まずは副業からはじめてみてはいかがでしょうか。
LOADING...