公開:2023.12.08 10:46 | 更新: 2024.02.13 01:38
企業や商品のマーケティング活動を外部に業務委託する事例が増えています。Webマーケティング施策は従来のリスティング広告やSNS広告だけでなく、コンテンツマーケティングや動画配信を始めとしたオウンドメディア活動など多角化しています。
社内にノウハウ・リソースがないという場合、新たにマーケターを採用するよりも専門知識を持ったマーケターを業務委託する方がコスト的なメリットが大きくなります。
しかしながら
など気になることも多いかと思います。
この記事では、マーケティングを業務委託することのメリット・デメリットを、事例と専門家の意見を交えながら徹底的に解説します。
また、業務委託の際の費用相場についても、現在の市場動向を踏まえて紹介します。これからのビジネス戦略を考えるうえで、マーケター業務委託の選択肢がどのように役立つのか、具体的な情報を提供します。
業務委託の形態でマーケターに依頼する内容は多岐にわたり、ビジネスのニーズや目的に応じて異なります。以下は、マーケターに委託する一般的な業務の例です。
ウェブサイトの最適化、検索エンジン最適化(SEO)、ソーシャルメディアマーケティング、Eメールマーケティング、コンテンツマーケティングなど、デジタルメディアを活用したマーケティング活動を担当します。
ウェブサイトのデザインとユーザー体験(UX)を改善し、訪問者にとって魅力的かつ使いやすいものにします。
また、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させ、ページの読み込み時間を短縮する施策を打てるマーケターは開発の知見も豊富で頼れる存在です。コンテンツの内容に関しても最適化を行うことが重要で、質と関連性を高め、訪問者の関心を引きつけることで、滞在時間を延ばし、コンバージョン率を向上させることができます。
広告運用は、デジタルマーケティングにおいて非常に重要な役割を果たします。以下は広告運用の主要な要素とその実行方法です。
広告運用は、企業がデジタル空間での可視性を高め、ターゲットオーディエンスに効果的にリーチするための鍵です。適切な戦略と実行により、広告投資のROIを最大化し、ビジネス成長を加速させることができます。
キーワードリサーチを行い、ターゲットオーディエンスが使用する検索用語を特定します。オンページSEO(ウェブサイト内の要素の最適化)とオフページSEO(バックリンク構築などウェブサイト外の要素)を実施できるマーケターが望ましいでしょう。
サイト内のマークアップやGoogle Search Consoleを活用した技術的SEOにより、検索エンジンがウェブサイトを効率的にクロールし、インデックスできるようにします。
ソーシャルメディアプラットフォームを活用して、ブランドの認知度とエンゲージメントを高めます。ターゲットオーディエンスをペルソナとして確立し、対話を促進するようなコンテンツを作成し、コミュニティを構築できれば成功と言えるでしょう。
またSNS広告を通じて、特定のオーディエンスをターゲットにし、製品やサービスの販売を促進する方法もあります。
カスタマイズされたメールキャンペーンを通じて、顧客との関係を築き、維持します。定期的なニュースレターやプロモーション情報を送信し、顧客へのリーチとエンゲージメントを高めることが基本的な役割となります。
MAツールなどを活用しセグメンテーションとパーソナライゼーションを利用して、顧客に関連性の高い内容を提供できる優秀なマーケターを探すとよいでしょう。
高品質で価値のあるコンテンツ(ブログ記事、ビデオ、インフォグラフィックなど)を作成し、ターゲットオーディエンスに提供します。
さらに、SEOと連携してコンテンツを最適化し、検索エンジンのランキングを向上させることで、コンテンツを通じて、ブランドの専門知識と信頼性を築きます。
マーケターを一人雇えばWebマーケティング施策をすべてできる、というものではなく、それぞれの専門知識を持ったマーケターが存在します。そのため施策ごとに最適な人材をアサインする必要があるため、業務委託の方がリスクが少なく済みますし費用対効果も大きくなります。
特に新しい商品のマーケティング活動を始める、という際にはどの施策がうまくいくかはわかりません。いきなり施策を決め打ちして失敗する前に、まずはお試しで業務委託のマーケターに依頼してプロジェクトをスタートする企業も多いという風に感じます。
企業が新しい市場に進出する際や新製品を開発する際に、ターゲット市場の動向、消費者のニーズ、競合他社の状況などを調査し、そのデータを分析します。この情報は、戦略立案に不可欠です。
マーケティングの市場調査をするようなコンサルティングファーム出身のフリーランスマーケター(アナリスト)に依頼すると、今後の活動に必要なプレゼン資料を作成してくれたりするのでそういった人材を探すのもよいでしょう。
マーケターは、市場調査に基づいた戦略を立案し、ターゲットオーディエンスに適したマーケティングキャンペーンの設計と実行を行います。これには、広告キャンペーン、プロモーション、ソーシャルメディア戦略などが含まれる場合があります。
スタートアップ企業の場合は戦略立案から実行までやってくれる人材の方がコミュニケーションコストが低く抑えられるのでよいでしょう。その場合出身業種が類似している人材を探すことをオススメします。
例えば化粧品のマーケティング活動を主にやってきたマーケターに金融系の商品のマーケティング活動をしてもらうのは畑が違いすぎるため戦略立案がむずかしいケースもあります。プロジェクトをスタートする際には、その市場のマーケティングに詳しい人材を選びましょう。
ブランドの価値を高め、維持するために、ブランドイメージやコミュニケーション戦略を策定し、実行します。これは、長期的なブランド認知度とロイヤルティの構築に貢献します。
ブランディングは「きれいなWebサイトを作る」といったことと混同されるケースがありますが、これは間違いです。企業のマーケティング活動初期における「ブランド」とは商品(企業)の良いところを正しく潜在顧客に伝えることになります。
デザインはブランドにおける1手段という理解をしてもらうとよいでしょう。デザインにばかりこだわってしまいがちですが、何を伝えるか、伝えるためにどんなデザインであるべきなのかを決めることが重要です。
この商品の良いところはここなのにうまく伝わらない、伝わっていないように感じるといったお悩みをお持ちならブランドマネジメントを見直すとよいでしょう。
マーケティング活動の効果を測定し、キャンペーンの成果を評価します。これには、ウェブトラフィック、コンバージョンレート、ROI(投資対効果)などの指標が含まれます。
ノウハウがないからといってマーケターに丸投げしてしまうのはよくありません。マーケターがどんな施策を打って、それが効果としてどのように表れているのかを常に測定しておく必要があります。
これからマーケティングを業務委託をしようと考えている経営者、管理職の方は、委託した業務の成果の測定方法について最低限理解しておくことをおすすめします。
定期的にクライアントと連絡を取り、進捗状況、成果、課題などを報告します。また、クライアントのフィードバックを受けて、戦略や実行計画を調整することもあります。
マーケティング活動は日々予算を使って行うものですから、無駄な予算消化を避けるためにもスピード感をもって対応できるマーケターの方が良いでしょう。
業務委託の形態でマーケターを活用することは、企業にとって多くの利点をもたらします。これにより、専門的な知識を活用し、コストを効率的に管理し、市場の変化に柔軟に対応し、効果的なマーケティング戦略を展開することが可能になります。
業務委託することで、マーケティングの最新のトレンドや専門知識を持つプロフェッショナルのスキルを活用できます。これは、特に最新のデジタルマーケティング技術や戦略に精通している専門家を求める場合に有効です。彼らは業界の動向を理解し、効果的な戦略を素早く提案し実行できる能力を持っています。
フルタイムの従業員を雇用する代わりに業務委託を選択することで、給与、福利厚生、トレーニング費用などのコストを削減できます。また、特定のプロジェクトやキャンペーンに応じて専門家を柔軟に雇用することで、必要な時にのみコストを支払うことが可能になります。
業務委託により、企業は市場の変化やビジネスのニーズに応じて迅速に戦略を調整できます。専門家は、短期間のプロジェクトや特定のキャンペーンに特化して作業を行うことができるため、企業はより柔軟に市場の機会を捉えることができます。
独立したマーケターまたはマーケティングエージェンシーに業務を委託することで、彼らの持つ広範なリソースやネットワークにアクセスできます。これには、特別なソフトウェアツール、業界のコネクション、他の業務委託者との協力関係などが含まれます。これらのリソースは、企業が自社で全てを用意することの負担を軽減します。
多くの場合、業務委託されたマーケターは成果に基づいて評価されます。これは、彼らが特定の目標やKPI(重要業績評価指標)を達成することに焦点を当て、結果を出すための具体的な戦略を実行することを意味します。そのため、企業は投資に対する明確なリターンを期待することができます。
マーケターの業務委託は多くのメリットを提供しますが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。企業が業務委託を検討する際には、これらの潜在的な欠点を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
外部のマーケターとのコミュニケーションは、しばしば課題を伴います。彼らは企業の内部文化やプロセスに完全に馴染むことはなく、その結果、誤解や目標の不一致が生じる可能性があります。これを防ぐためには、明確なコミュニケーションチャネルと定期的なフィードバックが必要です。
業務委託は品質の保証とリスク管理の観点からも課題を抱えます。外部のマーケターは、企業の品質基準や期待に完全に合致するとは限りません。また、機密情報の取り扱いやセキュリティに関するリスクも考慮する必要があります。これらのリスクを軽減するためには、契約での明確な条件設定と定期的な監視が求められます。
短期間のプロジェクトに焦点を当てた業務委託マーケターは、企業の長期的なビジョンや戦略と必ずしも整合しないことがあります。彼らは即時の成果を重視する傾向があり、これが時には長期的なブランド戦略と矛盾することがあります。これを回避するためには、委託する際に長期的な目標を明確に伝え、定期的にレビューを行うことが重要です。
業務委託のデメリットを理解し、これらに適切に対処することで、マーケターとの協働を成功に導き、企業のマーケティング戦略を強化することができます。重要なのは、明確なコミュニケーション、品質管理、戦略的なアライメントを確保することです。
業務委託の費用相場と市場動向を理解することは、企業が予算を効果的に計画し、適切なマーケターを選択するために不可欠です。市場は常に変化しており、それに伴い費用相場も変動します。ここでは、現在のマーケター業務委託の費用相場と市場動向について詳しく見ていきます。
マーケターの業務委託費用は、プロジェクトの性質、期間、およびマーケターの専門性や経験によって大きく異なります。一般的には、プロジェクトベースでの固定料金、時間単位での料金、または成果ベースの料金が設定されます。市場調査や戦略立案のような専門的な業務は、基本的な広告管理やソーシャルメディア運用よりも高額になる傾向があります。
費用対効果を最大化するためには、明確な目標設定と期待値の調整が必要です。業務委託を行う前に、期待される成果とそのために必要な予算を詳細に計画し、費用対効果の高いマーケティング戦略を立案することが大切です。また、複数の提案を比較検討し、最も価値のあるサービスを提供するマーケターを選択することも重要です。
Web広告には、リスティング広告/ディスプレイ広告/SNS広告/Youtube広告などさまざまな種類が存在します。主にGoogle広告とMeta(Facebook・Instagram)広告、Yahoo広告がメインどころと言えるでしょう。最近では若年層向けのものとしてTiktok広告も注目されています。
広告運用はフリーランスマーケターに依頼する場合は稼働時間数×単価の準委任契約になることが多いでしょう。
時間単価は2500円~5000円となり、マーケターの実績によって異なります。広告代理店に依頼する場合、広告費の20%を手数料として払うことになります。
また広告代理店によっては予算規模が小さいと受託してもらえないケースや、経験豊富な運用者が担当してくれない場合もあるようです。
実績豊富なマーケターに少額からの広告運用を依頼したい場合はマーケターの業務委託を選択されることをオススメします。
コンテンツマーケティングは主にディレクション業務と執筆業務に分かれます。どちらもできるというマーケターは少なく、分業して依頼する形にになることを理解しましょう。
ディレクション業務は稼働時間数×単価の準委任契約となります。時間単価も実績によりまちまちになりますが、2500円~5000円となります。依頼する内容やSEO対策の有無、ディレクションする記事の本数によっても変わりますのでよく相談してから決めることをオススメします。
執筆業務の依頼はライターという職種になってきますが、文字数の単価によって費用が決まります。日常的な内容の簡単な内容であれば文字数×1円~3円程度、ビジネス的な内容や専門知識を必要とする内容となると文字数×5円程度になることが多いです。
SNSマーケティングはSNSアカウント戦略設計や構築業務と投稿業務に分かれます。
アカウント戦略設計や構築はコンサルティングのような業務になるため、プロジェクト単位での契約や準委任契約など様々です。費用はカンタンな相談だと1万円程度から、1ヶ月~2ヶ月かけてコンサルティングを受ける場合は10~30万円くらいになります。
また投稿業務に関しては、社内に投稿者がいる場合はディレクションのみ依頼する形になりますが、こちらは月々の準委任契約になるでしょう。週1日程度の稼働で5~10万円くらいに見積もっておくとよいかと思います。
投稿まで依頼するとなると案件次第となってきますが、1投稿数千円+ディレクションとなると理解しておきましょう。
その他にもSEOやLP制作など様々な業務がありますが、大まかに制作系は1つの制作物に対して費用が掛かり、その他は準委任契約で月何時間稼働に対して時間単価いくらか?という形になります。
マーケターの実績やスキルレベルによって大きく変動するため、マーケター紹介の事業者に一度相談してみるとよいでしょう。
フリーランスのマーケターは人材紹介サービスで探すことができます。
マーケティングに特化した人材紹介サービスを活用することをオススメします。どんなマーケティング活動をしたいかによって最適な人材は異なるため、紹介してくれる担当者にも専門知識が求められます。
マーケティングに特化した人材サービスであれば、担当者にどんな人材が必要なのか?から相談することができますし、最適な人材が見つかりやすいでしょう。
とりあえず集客したいけどどんな業務を依頼すればいいかわからないという場合にも、一度相談してみることをオススメします。事業の状況や予算感に合わせてどんなマーケターを入れるべきか提案してもらうことができます。
また人材を探す際に気を付けるべき点として、ハイクオリティな人材だから必ずしも良いというわけではないということです。
これからマーケティング活動をはじめるので戦略立案から実行まですべてやれるようなCMOクラスを採用したい場合はハイクオリティ人材が必要ですが、オウンドメディアのブログ執筆を依頼したいということであれば、ライター経験者で十分です。
あくまでも費用対効果に合わせた人材選定が重要になるので、高ければいいという考えは捨てて今マーケティング活動に必要な人材はどんなスキルがあればいいのか、をしっかりと見据えて人材を探しましょう。
Be Marketer Worksは、フリーランスマーケターが設立したマーケティング特化の人材紹介サービスです。上場企業の業務委託も受けているフリーランスマーケターが1人1人面談し、即戦力でマーケティングチームにアサインしていただけるフリーランスマーケターのみ登録していただいています。
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