
CPA(顧客獲得単価)とは?計算方法・目標CPAの決め方・改善策を解説
公開:2024.03.07 20:50 | 更新: 2026.10.08 12:00
CPA(シーピーエー)とは「Cost Per Acquisition」の略で、1件のコンバージョン(購入、問い合わせ、会員登録など)を獲得するのにかかった費用のことです。日本語では「顧客獲得単価」「獲得単価」と呼ばれます。計算式は次のとおりです。
CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数
この記事では、CPAの計算例、目標にするCPAの決め方、CPAを改善する手順、CPAだけを追うときの落とし穴を解説します。
CPAとは
CPAは、広告やマーケティング施策の費用対効果を測る代表的な指標です。「1件の成果を得るのにいくらかかったか」が分かるため、広告ごと・媒体ごとの比較や、予算の配分を決めるときに使います。
注意したいのは、何を「1件」と数えるか(コンバージョンの定義)によって、CPAの意味が変わることです。ECサイトなら購入、BtoBなら資料請求や問い合わせ、アプリならインストールや会員登録が使われることが多いです。CPAを比べるときは、同じ定義でそろえましょう。
CPAの計算方法

広告費300,000円で、コンバージョンが60件あった場合、CPAは次のようになります。
300,000円 ÷ 60件 = 5,000円
つまり、1件の成果を得るのに平均5,000円かかったということです。媒体ごとに比べると、次のようになります。
媒体 | 広告費 | コンバージョン数 | CPA |
|---|---|---|---|
検索広告 | 300,000円 | 60件 | 5,000円 |
SNS広告 | 200,000円 | 25件 | 8,000円 |
ディスプレイ広告 | 100,000円 | 8件 | 12,500円 |
この例では検索広告のCPAがもっとも低く、効率よく成果を得られていることが分かります。
CPAは「CPC ÷ CVR」に分けて考える
CPAは、次のように分けて考えることができます。
CPA = CPC(1クリックあたりの費用) ÷ CVR(クリックした人がコンバージョンした割合)
上の検索広告の例で、CPCが100円、クリックが3,000回だったとすると、CVRは60件 ÷ 3,000回 = 2%です。
100円 ÷ 2% = 5,000円
と、同じCPAになります。この分け方を使うと、「CPAが高いのは、クリックが高いからか、クリックした人が申し込まないからか」を切り分けられます。改善の打ち手が変わるので、CPAが悪化したときはまずこの2つを確認しましょう。
目標CPAの決め方
「CPAは低いほどよい」と考えがちですが、大事なのは自社の利益が出るかどうかです。目標とするCPAは、次の順で決めます。
1. 限界CPAを出す
限界CPAとは、「1件の獲得にここまでかけても赤字にならない」という上限の金額です。1件あたりの利益(広告費をかける前の粗利)がそのまま限界CPAになります。
- 商品の価格:10,000円
- 原価・送料・決済手数料など:4,000円
- 1件あたりの粗利:6,000円 → 限界CPA 6,000円
2. 確保したい利益を引いて目標CPAにする
限界CPAぎりぎりで獲得しても利益は残りません。1件あたりに残したい利益を引いた金額を、目標CPAにします。
- 限界CPA 6,000円 − 残したい利益 2,000円 = 目標CPA 4,000円
リピート購入がある商品は、LTVで考える
定期購入やサブスクリプションのように、1人のお客様が何度も購入する商品は、初回の利益だけで考えると広告を出せる幅が狭くなりすぎます。その場合は、1人のお客様が取引期間全体でもたらす利益(LTV)をもとに考えます。ここでは、売上から原価などを引いた粗利ベースのLTVで計算します。
- 平均購入単価5,000円 × 年4回 × 平均2年継続 = 売上40,000円
- 粗利率50% → 1人あたりの粗利20,000円 → 限界CPA 20,000円
初回の購入だけを見ると赤字でも、2回目以降の購入で回収できる、という考え方です。ただし、継続率は実績をもとに見積もり、楽観的になりすぎないよう注意しましょう。
BtoBやリード獲得の場合
問い合わせや資料請求をコンバージョンにしている場合は、そこから受注に至る割合をもとに逆算します。
- 受注1件あたりの粗利:600,000円
- 問い合わせから商談になる割合:30%
- 商談から受注になる割合:20%
- 問い合わせ1件の価値:600,000円 × 30% × 20% = 36,000円 → 限界CPA 36,000円
CPAを改善する手順

1. まず計測が正しいかを確認する
コンバージョンが二重に計測されている、逆に計測されていない、といった設定の問題があると、CPAの数字そのものが信用できません。改善策を考える前に、コンバージョンタグや計測の設定を確認しましょう。
2. CPCとCVRのどちらに原因があるかを見る
状態 | 考えられる原因 | 主な打ち手 |
|---|---|---|
CPCが高い | 競合が多い、広告の品質が低い、狙うキーワードが広すぎる | キーワードの見直し、除外キーワード、広告文の改善 |
CVRが低い | 広告とページの内容がずれている、ページが分かりにくい、フォームが面倒 | ランディングページの改善、フォームの項目削減 |
どちらも悪い | ターゲットがずれている | ターゲティングや配信先の見直し |
ランディングページの改善は「LPOの基本」、フォームの改善は「EFOの基本」で詳しく解説しています。
3. 成果の出ている広告に予算を寄せる
広告・キーワード・媒体ごとにCPAを比べ、目標CPAを下回っているものに予算を移します。目標CPAを大きく上回り続けているものは、停止や見直しを検討しましょう。
CPAだけを追うときの落とし穴
- 件数が減ってしまう:CPAを下げようとして配信を絞りすぎると、成果の件数そのものが減り、売上が落ちることがあります
- 質が下がることがある:申し込みのハードルを下げるとCPAは下がりますが、成約しにくい問い合わせが増えることもあります。BtoBでは、商談化率や受注率もあわせて見ましょう
- 指名検索の刈り取りに偏る:もともと買うつもりだった人(社名や商品名で検索する人)への広告はCPAが低く見えますが、新しいお客様を増やしているとは限りません
CPAは重要な指標ですが、売上や利益とあわせて判断しましょう。
CPAとほかの指標の違い
指標 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
CPA | 1件のコンバージョンを得るための費用 | 広告費 ÷ コンバージョン数 |
CPO | 1件の注文を得るための費用 | 広告費 ÷ 注文数 |
CPC | 1クリックあたりの費用 | 広告費 ÷ クリック数 |
広告費に対する売上の割合 | 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%) | |
CAC | 1人の顧客を獲得するための総費用 | 広告費・営業費などを含む獲得費用 ÷ 新規顧客数 |
CPOはコンバージョンを「注文」に限ったCPAと考えると分かりやすいです。CACは広告費だけでなく、営業やマーケティングの人件費なども含めた、より広い獲得費用を指すことが多い指標です。CPAも「顧客獲得単価」と訳されますが、一般的には広告費だけで計算する点がCACとの違いです。
よくある質問
CPAの平均や相場はどのくらいですか?
業種、商品の価格、コンバージョンの定義によって大きく変わるため、他社の平均と比べてもあまり意味がありません。まずは自社の限界CPAと目標CPAを出し、それを基準に判断しましょう。
CPAとCPCはどちらを重視すべきですか?
成果(購入や問い合わせ)を目的にした広告なら、CPAを重視します。CPCは、CPAが悪化したときに原因を探るための指標として使うのがおすすめです。
まとめ
CPAは「広告費 ÷ コンバージョン数」で求める、1件の成果を得るための費用です。目標CPAは、1件あたりの利益(リピートがある商品はLTV)から逆算して決めます。CPAが悪化したときは、CPCとCVRに分けて原因を探し、計測の確認、キーワードや広告文の見直し、ランディングページの改善の順で手を打ちましょう。
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